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2020年07月25日

ルメニゲ代表が語る、コロナ危機による移籍市場への影響とは?

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 コロナ危機は、世界に大きな変化を生じさせることとなった。ブンデスリーガの各責任者たちも例外なく、この危機から将来に向けた教訓を得ようとしている。そのなかでバイエルン・ミュンヘンのリロイ・サネの獲得は、サッカー界の変化を示す最初の兆しとなるかもしれない。

 コロナ危機はブンデスリーガ1部、2部の多くのクラブを、存続の危機へと追い込んだ。各クラブはこれほどまでの危機的状況への備えには欠けており、最終的には無観客という形でのリーグ戦再開によって、手にしたテレビ放映権料から生き残りをはかる結果となった。

 「我々は3月8日までは、完璧なビジネスモデルを構築できていたんだ。」と、バイエルン・ミュンヘンのカール=ハインツ・ルメニゲ代表は、南ドイツ新聞とのインタビューの中でコメント。2005年に建設したアリアンツ・アレナは、それ以来ほぼ毎試合で完売が続いており、「チームがしっかりとパフォーマンスを発揮する限り、常に前向きな気持ちで事業年度を終えることができると考えていたよ」と振り返っている。しかしながらコロナ危機に直面した時、彼らには無観客での試合開催以外に頼れる術は残されてはいなかった。

 クラブにとって最大の収入源となっているのが、そのテレビ放映権料であり、そしてスポンサー料ということになるのだが、ただ支出面に目を向けた時にその最も大きな割合を占めているのが、移籍金やサラリーといった人件費。ただ既に今夏にここまで唯一、移籍金を支払う形で獲得したリロイ・サネからは、コロナ危機による変化の最初の兆候が見られると同氏はみている。「本来の金額と、最終的に支払われた金額には、大きな開きが見られた」そう語ったルメニゲ代表は、「移籍金に関しては、明らかに低下の傾向にある」と強調。そのため、ネイマールの時のような、2億ユーロを超える移籍金を支払う時代に終止符が打たれた感じているところだ。

 今回のサネの場合、マンチェスター・シティは1年前には、確かに1億ユーロを超える金額を要求していたものの、最終的には4900万ユーロに成果に応じたボーナスが付随する形で決着。ただこれには同選手が昨夏の移籍市場時と比較して、前十字靭帯断裂という大怪我を負ったことや、今夏が契約最終年度に突入する前だったことも影響したことだろう。

サラリーキャップ制度導入?それは不可能だよ

 それではコロナ危機は移籍金のみならず、選手のサラリー面にも影響を与えることになるだろうか?実際にこれがサネのサラリーに影響を与えたかについては、憶測の域を出ることはない。ただ言えることは、クラブ同士による選手の奪い合いは熾烈を極めるものであり、その中で提示されるサラリーの金額は大きな影響を与えるということ。バイエルンが延長を目指しているダヴィド・アラバについても、代理人とはサラリーアップに向けた駆け引きがはかられているところだ。「自分たちを決して見失わないようにしないと」と、同じく南ドイツ新聞に対して、バイエルンの役員を務めるオリヴァー・カーン氏は述べ、「トッププレイヤーはえてして、最も高いサラリーを提示したクラブに移籍するものさ。」と指摘。その中でクラブとしてのスタンスを「そして”何故そこまでせずに、トッププレヤーの獲得を見送ったんだ”なんていう批判を受けることになるのは、まず我々バイエルンだろうね」との言葉で表現している。

選手自身がサラリーアップに貢献している側面も

 そのため最近では特に、サラリーキャンップ制度の導入について話題に挙がっているところだが、ルメニゲ代表は、「欧州では独占禁止法によって認められていないので、米国式のサラリーキャップ制度の導入は不可能なのだよ」と説明。

 しかしながら高額給与を取得する選手側に対しても理解は示しているところであり、その理由としてクラブの売り上げの向上に大きく貢献しているのが選手自身で、「つまりは売り上げを増やすことで、自らのサラリーアップに貢献しているということだ」と語った。
 


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