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2020年08月22日

オリヴァー・カーン氏、バイエルンは「飢えている」

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 バイエルン・ミュンヘンにとっては奇妙な、変化に富んだ、そして実に興味深いシーズンとなった。その締め括りとしてこれからチャンピオンズリーグ決勝に臨むなど、昨年の晩秋の時点では思いもよらなかったほどに。だがこれから列挙していく様々な人々が口々に声を揃えるように、今シーズンのバイエルンでは多くの事が起こり、そして多くの事が変わっていった。

 水曜夜に行われた準決勝リヨン戦の終了の笛の音が鳴った時、通常であれば歓喜の声を挙げていたであろうバイエルンの選手たちからは、決してそのような叫び声も、感情的な爆発も見受けられるようなことはなく、それはルメニゲ代表が準々決勝でバルセロナに大勝した後にも、祝賀ムードではなかったことを明かした姿がこの日にもあった。

 ボルシア・ドルトムントのハンス=ヨアヒム・ヴァツケCEO、そして名将ラルフ・ラングニック氏からも諸手を挙げて賛辞の言葉が送られるバイエルンの選手たちは、昨年末では一時リーグ戦4位にまで転落するも、12月7日以来この日に至るまでわずか1試合を除き全勝。チャンピオンリーグでもその勢いは留まることなく、史上初となる完全制覇まであと1つに迫っている。

 そのV字転換に大きく寄与した人物を挙げるならば、やはり11月なかばに就任し再びチームをまとめ上げた、ハンジ・フリック監督だろう。ジェローム・ボアテングは「僕たち選手全員を、彼は非常にうまく扱ってくれる。誰も文句なんて言えない」と述べ、「フリック監督は個人的に相談するのに最適な人物なんだ。選手からの評判は高く、チーム全体にとってまさに”当たり”だと言えるね」と語った。

 カール=ハインツ・ルメニゲ代表も「ハンジ・フリック氏を選択したことを、皆が喜んでいるし、彼もまたその期待に応えてくれた」と、コメント。「彼がクラブにとって大切な価値観を取り戻してくれたんだ」との見方を示しており、「ただ成功をおさめるのではなく魅力的なサッカーを展開するということ。ファン・ハール、ハインケス、グアルディオラ時代の時のようにね」と言葉を続けている。

 そのルメニゲ氏から数年後にはバトンを受け継ぐことになる、役員のオリヴァー・カーン氏は、「フリック監督はチームのストラクチャーを再構築し、また主力選手たちの自信回復を果たした」との考えをみせ、「明確なアイデア、高い精力性、そして高いスピード」によって「非常に多くの要素や要因」結びつき成功に至ったと指摘する。「そしてこのチームは飢えているんだ。ずっとね。もっと、もっと強くなりたいと。」

 また先日、ヴァツケCEOは「バイエルンはただ勝つのではない。相手を破壊する」と表現していたが、たとえリードがあっても、さらに相手を追い詰め、襲いかかったその手を決して止めるようなことはしない。8−2となったバルセロナ戦でも、アラバはスローイングを巡り審判と口論となり、CL全試合で15得点をマークするレヴァンドフスキ筆頭に、チーム全体でも1試合平均4得点を相手チームから奪って見せる。「だって、彼らは飢えているんだよ」と、カーン氏は語った。


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