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2021年05月19日

代表復帰間近のミュラーの魅力:神出鬼没、得点力、タフネス、そして経験

Germany
.ドイツ代表
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 2019年3月にヨアヒム・レーヴ代表監督からジェローム・ボアテング、マッツ・フメルスらと共に、ドイツ代表からの構想外が告げられたトーマス・ミュラー。確かにその後に迎えた2019/20シーズンでは、その宣告に異を唱えられるようなパフォーマンスを発揮できず売却候補にも挙がったが、しかしながらコヴァチ監督から、ドイツ代表時代にSDを務めていた、ミュラーの使い方に精通しているハンジ・フリック監督が就任したことで急転。その神出鬼没なプレースタイルで23試合のうちで8得点、17アシストと文字通り荒稼ぎしてみせるのである。

 バイエルンのサッカー哲学にも変化が生じたことも相まって、ミュラーは再び自身の居場所を確保することに成功した。それは決してポジションを定着させるということではない。その持ち味である神出鬼没なプレースタイル、そしてボックス内でのその危険性から、ペナルティエリアへと決定的なパスを数多く供給。安定感が増した今シーズンに至っては、ここまでブンデスアシスト記録にあと1と迫る21アシスト。ゴール数も11得点にまで伸ばしてみせた。構想外宣告から2年。ドイツ代表復帰がいかに正当なものか、それはデータでも確認できるというものだ。


 上記の図にあるアシストとなったパスの流れをご覧いただきたい。確かに左手のコヴァチ監督の時代から、ミュラーのアシストは右側から供給されることが多く、それはフリック監督となってからも見られる傾向だが、それでもより変幻自在に動けるようになったことで、ピッチのあらゆる所から全体的にパスの数が増えていることが、見て取れるだろう。加えてコロナ禍にあって、選手離脱が相次ぐチーム事情の中、ミュラーは今季わずか2試合のみの欠場というタフネスさも持ち合わせる。
 
 それだけではない。オフェンスと同様にディフェンスにおいても、ミュラーは攻撃的なプレスを縦横無尽に展開。その表れが平均総走行距離11.73kmにも見て取れるが、さらに下記のプレスマップをご覧いただくと、いかにミュラーが攻撃的なプレスを数多く、積極的に仕掛けているかが一目瞭然であろう。つまりミュラーには得点力、守備力、タフネス。加えてこれまで蓄積してきた豊富な経験により、ミュラーにはリーダー的存在として若いチームを牽引することも期待することができるだろう。

 


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