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2021年03月31日

2部から一躍欧州リーグ争い、シュトゥットガルト再建時を振り返るミスリンタト

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 2019年3月、トーマス・ヒツルスペルガー競技部門取締役と共に仕事を開始した1ヶ月後、スウェン・ミスリンタトSDは2つの疑問を自らに投げかけた。今後シュトゥットガルトはどのような姿になりうるのか、そして実際に自分たちが手にしている長所はどこにあるのか?新たに就任したばかりの同氏の中では、本来のシュトゥットガルトがもっていた「アイデンティティ」を体現していくことを重要視されており、そこには「若き猛者たち」や「魔法のトライアングル」といった「かつての栄光を忘れたくない、という気持ちはあるものだよね」と笑う。

 「たとえばマネージャーを務めるギュンター・シェファー氏は、その卓越したメンタリティをもった、気迫あふれるプレーをみせて、ブンデス制覇も成し遂げた」といった、歴史が実際に存在しており「それが私たちにマッチしているはずだと考えたよ」と同氏。「そしてそういったことが求められるのは、小さな投資から大きな収穫を得なくてはならないクラブなんだ。まぁ逆にいえば、どのクラブでも実行可能な方法だといえるがね」と言葉を続けた。

 たとえばボルシア・ドルトムントや、RBライプツィヒはそのような形から飛躍を遂げたクラブの例だ。「世界規模で分析」を行なったというミスリンタトSDは、そこで「成功するチームというのは、どのようにしてそれを継続し続けてきたのか?どうしたら成功を収めていけるのか?彼らを際立たせているものは何か?とりわけ長く成功を収めてきたパターンはどれか?」を熟考。

 ブンデス2部へと降格した後に、「しっかりとサッカーができる選手」を探し回っており、「ハードワークだけに限らず、悪い言い方をするならばただそこにいるだけではない。守るだけではなく、カテナチオでの成功例は近年では稀なことだ」と強調。その結果、見出したのがサシャ・カライジッチであり、遠藤航であり、サイラス・ワマンギトゥカだった。


 例えばワマンギトゥカについては、2018/19シーズンに仏2部FCパリにて、11得点をマークしていた選手。「それは今みてみて、特にそそられるものにではないかもしれないが、ただクラブ全体で36得点しかとっておらず、非常に守備的な戦いをみせていたんだ。つまりワンマンショー状態だったのだよ」と説明。

 だからこそミスリンタトSDはぜひ会いたいと考え、「体つきをみて、どういう道を歩んできたのかを聞き、どういった伸び代があるのかを知る。彼に会った時、まるで闘争心の塊のような印象を受けたよ。静かで控えめで、明確な目標をもち集中している若者だったよ。」と振り返っている。

 同時にシャルケもまた獲得へと動いていたが、最終的にはワマンギトゥカ争奪戦はミスリンタトSDへと軍配が上がる。そこで投じた金額は、それ以外の新戦力の獲得に投じた合計金額に相当する800万ユーロ。「信じる気持ちがもてないと、無理だよね」とミスリンタトSD。

 その結果、移籍初年度で8得点7アシストを記録したワマンギトゥカは、クラブの1部昇格へと貢献し、今季は昇格組として臨む中で11得点5アシスト、kicker採点平均では2.96と見事な数字を残しており、カライジッチ、遠藤航についても同様の飛躍をみせて大当たり。その結果2部降格から2年後には、シュトゥットガルトはむしろ、欧州リーグ出場権争いを展開するまでの飛躍への道を突き進むことになる。
 


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