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2021年08月23日

独誌kickerインタビュー:遠藤航「シュトゥットガルトを上位に」

VfB Stuttgart
VfBシュツットガルト
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 移籍当初はなかなか出場機会に恵まれることのなかった、遠藤航。だが2年が経過した今では、チームの主将として牽引するかげがえのない存在となった。そんな日本代表MFが、月曜発売の独誌kickerとのロングインタビューで語る、ブンデスリーガでの戦い、そしてプレミアリーグへの想い。

エンドウサン、これまでご自身にはたくさんのニックネームがつけられてきましたね。ボス、ボディガード、ソルジャー、侍。どれがご自身にとって一番のお気に入りですか?

ボディガードですかね、それが僕のプレーするポジションで一番しっくりくると思うんで。ただボスも良い感じだとは思います、監督からキャプテンに任命してもらいましたから(笑

ちなみになんですが、遠藤家は侍の家系でいらっしゃるのですか?

これまでそのことを気にしたことがなくて、なんともお答えできないですね。

選手としてみせるパフォーマンス、そしてその見た目などから、「日本人らしい」という言葉で表現されることが多いと思いますが、ご自身ではどう思われますか?

笑ってしまいますね。特に日本代表チームの中では、「誰が一番、日本人らしいか」なんていう話題がよくでるんですが、そこでは僕の名前が頻繁にでてきます。だから僕は典型的な日本人、と言えると思いますね。

母国開催の東京五輪では、メダル獲得まであと一歩という4位に終わってしまいました。その悔しさを、どのように受け止められたのでしょうか。

ぜひともメダルを獲得したい、という思いがありました。だからそれでに悔しさもより強いものがありましたね。特に3位決定戦となったメキシコ戦で、あまり良い戦いをみせられなかった事はとても残念なことでした。

自分に厳しいと、ご自身で思われたりしませんか?以前にシントトロイデンからシュトゥットガルトに加入した後、「このレベルでやれるかわからなかったが、今は自分が思っていたよりもうまくいってます」という言葉で表現されていたことがありました。

それは、ドイツのサッカーを知っていたわけではなかったですし、ベルギーからブンデス2部にきたところでしたから。あの時は期待されていることが、本当に自分でできるのかと自問自答はしましたね。

ヴァルター監督の下では3ヶ月に渡り外れていました。そのことはどのように影響したのでしょう?

監督は僕のことを知らなかったんです。そして僕もそのことを知っていたので、練習で自分をアピールし、チームメイトやプレースタイルに慣れて、チャンスを得るために自分を出し切ろうを思っていました。

ただそれは長い時間なかなかうまくいかず、11月になって終了間際の短時間の起用となっています。しかし3週間後に初めて先発出場することができ、それからは不可欠な存在となっていますね。これまでシュトゥットガルト移籍を後悔したことなどはありましたか?

いいえ、加入当初はなかなか難しくなるだろうな、とは思っていましたから。なのでうまくいっていなかった3ヶ月間については、たくさん試合をみて、状況や期待にうまく適応していけるように活かしていきました。

どこかでヴァルター監督との、何か明確な話し合いなどがあったのでしょうか?

いいえ、特に僕たちの間では、そういった話し合いはありませんでした。

最終的にその扉を開いたのが、マリオ・ゴメスでしたね。シュトゥットガルトのスターであった彼がヴァルター監督へ、「監督、航を起用して欲しい。彼は僕たちの中で、ベストプレーヤーの1人なんだ」と直訴しました。

それを知ったのは後からのことで、友人を通して知りました。カールスルーエ戦で初先発を果たしたあの時は、僕はそのことを知らなかったんです。マリオからのそういった後押しは、僕にとって嬉しいサプライズでした。

これまでシュトゥットガルトでは、浅野琢磨、岡崎慎司、酒井高徳、細貝萌といった、日本人選手たちが在籍していました。いずれかの選手に、シュトゥットガルトについて相談したりはしましたか?

2016年のリオ五輪で共に戦った、仲の良い浅野選手とは話をしました。

その時には何とおっしゃっていましたか?

シュトゥットガルトは良い街だよ、と。

それ以外には何か、クラブのことなどについては?

特にサッカーの話はしなかったですね。

そうなんですか?つまりシュトゥットガルトが良い街であることが、移籍のきっかけにもなったということでしょうか?

クラブのこととかサッカーのことについては、僕が移籍すると決まったあとにしましたね。

これまでのご自身の実績を顧みた時に、シュトゥットガルトよりも上のクラブの希望リストに加わっていないことが不思議でなりません。

それは僕には何ともいえません。でも世界には良いセントラル・ミッドフィルダーがたくさんいますから。

ご自身のキャリアについては、どうお考えなのでしょう?

僕の目標は、今シーズン好調を維持して、それに伴い成長し続けていくということです。

あなたを心の支えにしてきたファンたちは、しばらくはここからいなくなるという不安を抱かなくても良いのでしょうか?

僕にとってプレミアリーグが夢であることは、これまでにも包み隠さず口にしてきたことでした。もしもイングランドの絶対的なトップクラブから興味をもってもらうことがあれば、その時は話を聞くことにはなると思います。でもこれまではそんなことはなかったですし、今後についても一体どうなっていくのかは誰にもわからないことです。いずれにしてもシュトゥットガルトを、かつてブンデス王者に輝いた時のように上位へと導いていきたい。いつの日か、シュトゥットガルトでCLの舞台に立てたらと思っています。

それはしばらく、実現が厳しいかもしれませんね。

僕の目標はこれから自分自身を更に高めていくということ、できることならばここシュトゥットガルトで。W杯への出場やCLでプレーすることが、僕が夢見ていることなんです。

それは契約期間である2024年までに達成できないと、問題となってくることでしょうか。

それはまったくわからないことなので、その時にみてみましょう。

特にシュトゥットガルトは過去6年間で2度もブンデス2部降格を経験、競技面でみても財政面でみても、大きく後退してしまったクラブとして、大きすぎる目標なのかもしれません。

僕たちはとても若いチームで、これから成長していく伸びしろをもっている。僕たちは中期的にであれば、国際舞台にも立てると考えています。ただ今シーズンについては、もちろんブンデスリーガ残留が目標となりますね。

ペジェグリーノ・マタラッツォ監督は、この夏ご自身へ主将の任を託されました。それは驚きでしたか?それとも多少なりとも期待されていたのでしょうか。

監督の連絡には驚きました。特に判断を下されたとき、僕はチームから完全に離れていましたから。だからまったく予想はしていなかったですね。

チームの中には、フランス語しか話せない選手や、外国語自体をあまり話せない選手もいるという中で、いったいどのようにしてコミュニケーションをはかっているのでしょう?

僕はまったくフランスはわからないんですけど、多くの人はコミュニケーションがはかれる程度には、英語を話すことができます。

ただ伊藤洋輝選手とは、日本語で会話することができますね。若手日本人選手である彼は、未来の遠藤航になれるでしょうか?

彼は間違いなくポテンシャルをもった選手です。彼の身長をみれば、僕よりも優れたセンターバックになることは、間違いないことだと思いますよ(笑

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