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2022年04月03日

W杯初戦の相手、日本代表のFW浅野がフリック監督の前で大活躍

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 代表戦前に行われたボルシア・メンヒェングラードバッハとのホーム戦では、観客席からビール容器が副審の頭部へと投げつけられれて試合中止となるなど暗い影を落としていた、VfLボーフム。だが代表戦明けに迎えた好調TSGホッフェンハイムとの厳しいアウェイ戦では、むしろ昇格組としてブンデス残留に向けた余りに貴重な勝ち点3の確保へと成功した。

 チャンピオンズリーグ復帰も視野に入れるチームを相手に、ライス監督は中盤を入れ替えて昨季の4−2−3−1システムを採用。対戦相手よりレンタル中のスタフィリディスがSBではなく中盤に入り、主将のルジアと共に形成。結果的に中央の安定化に大きく貢献することになる。さらに守護神リーマンは、むしろオフェンス面において貢献。2度のロングボールから、この日の浅野拓磨のドッペルパックに寄与していた。かつて岡崎慎司ともマインツ時代に同僚だったFWセバスチャン・ポルターは、浅野拓磨について、「練習で見せていた素晴らしいパフォーマンス、彼の精力的な取り組みが今回ついに結果として報われることになったね」と喜びのコメント。

 これまで今季わずか1得点にとどまるなど、なかなか思うようなシーズンを過ごせていなかった日本代表FW。そのスピードはもとより、機敏なドリブルを持ち合わせつつも、なかなかフィニッシュの場面で焦りをみせる場面が多かったのだが、この日はきっちりと2度に渡って相手ゴールを揺らして見せることに成功。リーマンからのロングボールを完璧な形で受け取って中央へと移動、相手GKにつけ入る隙さえ与えない低い弾道を描くシュートを突き刺す。

 59分の得点シーンでも同様にロングボールから、浅野はこのチャンスに反応してゴールに向かって駆け上がり、再び相手GKバウマンを攻略。これでブンデスリーガでは初のドッペルパック達成となり、ブンデス通算48試合で2得点だった男が、この日の1試合で倍化させることに成功した。確かに日本代表参加を踏まえてこの日の試合では、先発出場さえ確実な結論ではなかったものの、それでもライス監督はあくまで「浅野が我々の求めるフレッシュさをもたらしてくれるはずだ」と期待感を強調。そしてワールドカップ出場を確定させたその勢いのまま、今回の試合ででも奮闘を演じて見せている。

 ボーフムが揺れたこの日の『ジャパンデー』には、この日に視察に訪れていたドイツ代表ハンジ・フリック監督の姿も見受けられた。先日のワールドカップ組み合わせ抽選会の結果、同組に入った日本代表のFWが、これまでそのスピードと精力的姿勢は目立っていたものの、あまり示していなかった決定力についても直接この日に目にすることに。日本代表にこの日2度好機を演じたGKリーマンがいるわけではなくとも、それでも11月23日に行われるドイツ代表とのワールドカップ初戦でも浅野拓磨は再び、ドイツを相手にサプライズを演じてしまう、かもしれない。
 


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